前回の記事でもお伝えしましたが、先日会社辞めた人オフ会を開催しました。改めてみなさまありがとうございました。
やはりというかなんというか、ネガティブの力ってすごいなと心底実感しております。冷静に考えれば、会ったこともない見ず知らずの人(しかもネット経由)が開催するイベントに10人もの方が反応してくださるのはとてもすごい。しかも無断のドタキャンなし!わあい!これもひとえに僕の魅力。
今回参加者が上手くいったのは、もちろん元から僕と関わりがあったからという方もいるでしょう。ですがそれ以上に、ネガティブな話題だったからというのも大きな要因の一つかと思います。
ネガティブなことは発信しづらい
先日ネガティブに関するツイートをしたところ意外と反響があり驚きました。
どうして世の中はネガティブなことの発信に否定的なのかねぇ。
「単なるディスり」は躊躇われるけど「自分の中のネガティブな本心」はいくら発信しても良いと思う。このタイプのネガティブさで生まれた団結力は、将来良い繋がりになると思うぞ。
— ぶらりぼっち日和@VALUやってない (@hitomishiri_da) 2017年8月20日
さすが僕のフォロワー様、よくわかってらっしゃいます。やはりみなさま、うちにネガティブなものは抱えていらっしゃるそうで。このツイートへの反応を見るに、人間は皆ネガティブな感情を表に出さずに生きているんだなあというのを実感しています。世の中を渡せば、
「鬱だった私がポジティブになれた7つの法則」
「運命を切り開くのは自分だ!」
「まだネガティブで消耗してるの?」
みたいなタイトルの書籍で溢れる世の中。適当に考えたけどすごく売ってそうなタイトルです。就活でも、キャリアビジョンやら10年後の理想の姿を聞かれ、答えられないと将来について考えるのをサボっていると言われる。わかるわけねーだろ!
それに、少しセンシティブな話題かもしれませんが、3.11の時も少々「頑張れば必ず立ち上げれるぞ日本!」という正の側面のみが押し出され、もっと知るべき、危険で重要なことが頭の隅に追いやられてはしなかっただろうか、などと思わずにはいられません。もちろんそれらも気持ちを奮い立たせる意味では非常に重要ですが。*あくまで個人の所感です。
ほんと、言いたいことも言えないポイズンな世の中になっているなあと思う今日この頃。
ネガティブなことの発信=悪いこと
このような構図が出来上がってはいないでしょうか?
ネガティブなことは溜め込むべきではない
僕としてはなぜネガティブなことが避けられるのかがわかりません。もちろん悪口は例外。チラシの裏にでも書いてなさい!
そもそも、生きていく上でネガティブな事象に出会わないことはありえない。仕事でミスをして不安な気持ちになったり、恋人に振られやしないかと心配なったり、はたまた老後が気になったり。大小あれど、不安な気持ちを抱えずに生きるというのは不可能です。
嫌々ながら長いお付き合いをすることになる「不安」という要素。これを自分一人で抱え込むのは正直、きつい。
「こんなことで悩むのはアホらしいのだろうか?」
「もっと辛い人もいるのに、自分は甘えているのだろうか?」
「誰かに話したら迷惑ではなかろうか?」
「どうすればこの迷いは解決できるんだろうか?」
黒い気持ちが、頭の中でぐーるぐーる。うーん、できれば避けたいものです。このことを考えると、自分の中に秘めた弱さや不安を発信することってとっても大切なこと。
不安を抱えた人は、できれば一人でモヤモヤしていたくないし、誰かに話してスッキリしたいし、できれば解決したいと思っています。また「その気持ち、わかる!」と共感者が現れることで胸をなでおろすことも多いはず。
不安を抱えてる時点で、既に気持ちは沈んでいるのに、さらに一人で抱え込んで悪化させる必要ってあるのでしょうか?
いや、ない(反語)
発信することで相談相手ができたり、共感者が募ったりすることは当人にとっては心の拠り所。どこれでれだけ救われるか人が多いことか……。Twitterはそれが顕著ですよねえ。Facebookは比較的キラキラした大人が、
会社作りました!
仕事楽しいいいいい!
人生をもっと楽しく!
といったポジティブポエム、略してポムを投稿する場となりかけています。ネガティブな投稿はあまり見かけません。投稿するとミュートされがち
しかしTwitterは、鬱蒼とした人間の闇を抱えた猛者どもが生息する場所。実名ではかけないような普段の愚痴や本音をつぶやく人が大勢います。普段会社ではニコニコしているあの人もTwitterでち○ことか呟いてるんですよきっと!偏見
僕なんかは、会社を辞めたことを押し出すツイートや記事を書くようにしたところ、以前よりフォロワーの増加スピードが早まりました。
これも「働くの辛い!ピギイイ」というみんなの秘めたる思いに共感が生まれ、フォローしてくださっているのだと思っています。みんなやっぱり、溜め込んでいるんですよ。
もっと堂々とネガティブなことを発信できると素晴らしい
匿名性の強いSNSでしか本音を呟けないーーーこれはなんとも息苦しい。本当は、リアルな友達に自分の汚いところも、負の部分も見て欲しい。そしてスッキリした状態で、より本心で付き合える友人関係でありたい。
でも実際は「本音を見られるのが恥ずかしい」「わがままとか思われたらどうしよう」といった気持ちが邪魔をする。結局はリアルな世界で生きていく僕ら。でもそのリアルで本音を吐けないなんて、なんとまあ悲しき……。
だからこそ、そういった場が不可欠。もっと堂々とネガティブなことを発信できる場が。今回であればこのオフ会がそれに値するのではないかと。
ネガティブをきっかけに、何かが生まれるかも
今回のオフ会は、まさにネガティブな気持ちを抱えた方々の集まり。会社をやめるという不安の残る選択肢を選んだみなさんは、どこかで同じ仲間を欲していたかと思います。そんなみなさんが集まり、不安を口に出し、共感し合うという流れは、心の平穏には必要不可欠。
それに、同じ気持ちを抱える者同士が集まることで何か新しいことが起こるかもしれないし、起こらないかもしれない。たとえ何も起こらなくても、自分と同じ人がいるというのは非常に安心感を生み出します。それだけでも儲けもの。
「前向きな気持ちこそが人生を変える」というのもその通り。でもそれが性に合わない人もいます。それを無理にポジティブ思考へねじ曲げるのではなく、まずはその思いに共感し、安心感を生み出すこと。そこからちょとずつ進んでいけばいいのです。
この世が全てポジティブ思考で支配されたら、それはそれで気持ち悪いと僕は思います。内側にあるネガティブな思いを閉じ込めて、不安がないかのように振る舞っても、それはただの空元気。どこかできっとガタがくるでしょう。
そうではなく、適度に愚痴や不満をこぼしガス抜きしながら、徐々に変わっていく。この方が人間の本質としてはぴったりだと思うんですよねえ。ポジティブ思考が合っている人はそれで良し。そうでない人は、人間の本質に向き合いながら、少しづつ生きていくのが一番ではないでしょうか。